藤井一興先生
- hopekko8
- 3月3日
- 読了時間: 2分
更新日:3月29日
お正月明けのネットニュースで
藤井一興先生の訃報を知りました。
藤井先生には大学卒業後に通った東京コンセルヴァトアール尚美で、現代曲のレッスンを受けていました。
先生の音は立ち上がりがとても格好良くて、伴奏されているCDを聴いていてもいつの間にかソロより先生のピアノの音の方に耳が行ってしまい、何て上手なんだろう、といつも感嘆していました。
そんな藤井先生に習える事になり、でも自信の無い私はいつも萎縮していました。
私は力が入った状態で常に弾いてしまっていて、どうしたら余分な力を入れず弾けるのか、という事が自分の中でずっと(今も)最大の課題でした。
音粒の揃った繊細なパッセージ、またはガーンと和音をフォルテで弾くような箇所で、特に沢山の注意を受け、正直ピアノを辞めよう、と思った事もありました。
でもその一方で、自分は現代曲を弾くのに向いているのかも、という気付きも先生のレッスンがあったからこそ、でした。
ある時のレッスンで、「あなたは左手は自然に弾いているわね。右手に力が入っているのね。」というような事を仰られ、それは自分でも思っていた事だったので、先生に理解して頂けた、ととてもありがたく感じました。
これまでいろいろな先生に習って来ましたが、私の事を分かって下さったと心から感じた先生は
(そのお言葉から)やっぱり藤井先生なのです。
心よりご冥福をお祈りいたします。

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